AGA(エージーエー)とはAndrogenetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」のことです。ここではAGA(エージーエー)の仕組みを解説します。
AGA(エージーエー)とは
AGA(エージーエー)とは、Andro genetic Alopeciaの略で「男性型脱毛症」と言う男性特有の脱毛症です。
20代から30代でこの症状が現れた場合を「若年性脱毛症」30代から40代以降にこの症状が現れた場合を「壮年性脱毛症」と呼ぶこともあります。
10円~500円玉程度の大きさの脱毛が突然起こってしまう円形脱毛症や、皮脂やフケなどが原因で起こる脂漏性脱毛症、批糠性脱毛症などとは異なり、男性ホルモンが原因で前頭部の生え際部分や頭頂部のつむじ周りの薄毛が進行していくのが特徴です。
AGAには、
- 前頭部両端の生え際部分が後退していくM型脱毛症
- 頭頂部のつむじ周りから脱毛が進むO型脱毛症
- 前頭部の中央から生え際から薄くなっていくU型脱毛症
- これらが併発して全体的に髪が薄くなる複合型脱毛症
などがあります。
AGA(エージーエー)は、主に男性ホルモンの影響が原因と考えられています。
ここでは、AGAの流れ(メカニズム)について少し詳しく解説していきます。
AGAは進行型タイプですので、円形脱毛症のように突然禿げてしまうのではなく徐々に薄くなっていきます。一度発症すると自然に改善することは殆ど無く、徐々に進行していくのが特徴です。
そのため、生活習慣や食習慣などの改善とともに育毛剤や育毛シャンプー、育毛サプリメントなどで早めにAGA対策を打つことが必要になってきます。
AGA(エージーエー)の仕組み
AGA(エージーエー)のメカニズム(仕組み)は以下の通りです。
- 男性の場合、主に睾丸からテストステロンという男性ホルモンが分泌されています。この男性ホルモン(テストステロン)は血液に混じって、体中を巡ります。
- 男性ホルモン(テストステロン)は体毛や髭などの成長を促進しますが、髪の毛となるとちょっと厄介な働きをします。頭皮の毛乳頭細胞には、5αリダクターゼという酵素がありますが、これが血液を通して運ばれてきたテストステロンと結びつくことで、AGAの元凶であるDHT(ジヒドロテストステロン)という薄毛の元凶となるより強力な男性ホルモンに 変換されます。
- DHT(ジヒドロテストステロン)は、同じく毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプターと結合して脱毛因子「TGF-β」を増やします。
- この脱毛因子「TGF-β」が毛母細胞へ「髪の毛がぬけるように」と脱毛指令(FGF-5)を出します。
つまり、AGA(エージーエー)は、
- テストステロン + 5αリダクターゼ(Ⅱ型) ⇒ DHT
- DHT + アンドロゲンレセプター ⇒ 脱毛因子
という大きな2段階があって脱毛する生理現象です。
参考:5αリダクターゼの働き
参考:DHTの働き
髪の毛には独自のヘアサイクルというものがあり、本来であれば2年から6年の間成長期というものが継続されますが、AGAを発症するとこの成長期という段階を十分に経ないまますぐに抜け落ちてしまいます。
進行すると、だんだんと毛髪がうぶ毛化してやがては毛髪が生えてこなくなってしまいます。
シャンプー時に抜け毛が増えてきたり、最近、髪の毛が痩せ細ってきたと感じる男性は、AGAの進行を疑った方がいいかもしれません。
尚、後頭部や側頭部が薄毛にならない理由は、
- 5αリダクターゼ(Ⅱ型)酵素や
- アンドロゲンレセプターという男性ホルモン受容体が
これらの箇所には殆ど存在しないためだと考えられています。
ちなみにAGA治療の一つである自毛植毛は、AGAの影響を受けない主に後頭部の髪の毛を毛包ごと前頭部などの薄毛の箇所に移植することで行われます。
AGAの影響を受けていない毛包ごとの移植なので後にAGAを発症するリスクもなく、一生抜けては生えを繰り返します。
最近の研究では、5αリダクターゼの活性度合や毛乳頭にあるアンドロゲンレセプターの感受性には個人差があり、5αリダクターゼの活性度合が強かったり、アンドロゲンレセプターの感受性が高くて敏感な人ほどAGAを発症しやすく、そうでない人ほどAGAに発症しにくいという事がわかってきています。
そしてその5αリダクターゼの活性度合やアンドロゲンレセプターの感受性は遺伝によって引き継がれるということがわかってきています。
抜け毛、薄毛、禿げ(ハゲ)などで悩む男性の90%以上がこのAGAが原因ということですので抜け毛や薄毛に悩む男性の殆どの人がAGA対策を講じることで薄毛の悩みを改善することができるということになります。
女性のAGA(FAGA)
男性ホルモンが原因で起きるAGA(男性型脱毛症)は男性特有の症状ではないと考えられています。
女性にも少なからず男性ホルモンは存在します。
女性の場合、加齢や更年期、出産などのほか、ストレスを感じたり過度のダイエット、乱れた生活習慣・食習慣などを送っていると女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスを崩すことがわかっています。
これによって、血液中の男性ホルモンの割合が増加し、女性も男性のAGAと同じようなメカニズムで女性の男性型脱毛症を引き起こすことがあると考えられています。
女性の男性型脱毛症を一般的にFAGA(Female Andro genetic Alopecia:女性男性型脱毛症)と呼んでおり、男性のAGAと区別しています。
FAGAは、びまん性脱毛症と一括りに分類される場合もあります。
女性の社会進出に伴い、FAGAは、近年、増加傾向にあると言われています。
このようなAGA(FAGA)のメカニズムがある程度判明していることから、育毛剤や育毛シャンプーの開発においても男性用・女性用を問わず5αリダクターゼやDHTの働きを抑制する成分を配合することが試みられています。
特に男性用の育毛剤や育毛サプリには、AGAの原因である5αリダクターゼやDHTの働きを抑制する成分を配合するものが殆どです。
これらの育毛剤や育毛サプリを活用することでAGAの進行を遅らせたり改善したり、また予防したりすることが可能となってきています。
参考:有効なAGA対策