アスタキサンチンの育毛効果

アスタキサンチンの育毛促進とアスタキサンチン配合シャンプー

アスタキサンチンは高い抗酸化作用を持つ成分として化粧品などに使用されていますが、近年は、薄毛・育毛対策としても効果が期待できるとして話題になっています。

ここでは、アスタキサンチンに期待できる育毛効果について解説します。

アスタキサンチンとは?その働き

アスタキサンチンは、カロテノイドと呼ばれる天然の色素成分です。

鮭やエビ、カニ、いくらなどに多く含まれる赤い色素がアスタキサンチンです。

高い抗酸化作用(活性酸素を消去する作用)があり、体や目の疲労回復に効果的とされており、化粧品をはじめサプリメントとしても販売されています。

活性酸素とは

呼吸によって取り入れられた酸素のうちおよそ2%が強い酸化作用を持つ活性酸素に変換されると言われています。

また、活性酸素が発生する原因には、呼吸だけでなく、強い精神的ストレスや睡眠不足、食事の乱れや喫煙、激しい運動、また紫外線や大気汚染などもあります。

活性酸素は、体内に侵入してきた病原菌を攻撃して体を守る重要な働きがありますが、過剰に発生すると、逆に細胞にダメージを与え、老朽化を促進させ、様々な病気の発症リスクを高めてしまうと言われています。

当然、髪の毛の製造に絡んでいる毛乳頭細胞や毛母細胞の老化にも影響を与えてしまいます。

従って、活性酸素の過剰発生は、健康で若い細胞の維持、老化防止といった面からも避けなければなりません。

本来、私たち人間の身体には、活性酸素を無毒化する力が備わっていますが、加齢などでその力は衰えていきます。酸化をできるだけ食い止めるためにも、抗酸化作用のある成分を取り入れて酸化を防止する必要があります。

アスタキサンチンの抗酸化作用

アスタキサンチンには非常に高い抗酸化作用があります。

抗酸化作用とは、活性酸素を除去したり、活性酸素による細胞の酸化を抑制したりする作用のことで近年アンチエイジング分野でも広く使われている言葉です。

抗酸化作用があることで有名なコエンザイムQ10やビタミンEの1,000倍ほど、そして、ビタミンCの5,000倍以上の抗酸化力があるとも言われています。

さらに、ビタミンEなどが細胞膜の内側など、抗酸化作用を発揮する場所が特定されているのに対してアスタキサンチンは、目や脳などの場所でも抗酸化作用を発揮できることで他の抗酸化成分より優れていると言われています。

眼精疲労の回復、目のピント調節機能の向上などをはじめとして、加齢性黄斑変性症、白内障、網膜症といった目の病気などにもアスタキサンチンやルテインが良いとされるのは、こういった優れた抗酸化作用があるためです。

近年は、眼精疲労による薄毛のリスクも指摘されていますので、アスタキサンチンは眼精疲労による薄毛対策としても期待が持てます。

その他にもアスタキサンチンは、紫外線から肌を守ったり、血管を若返らせたり、脳を活性酸素から守ったりとアンチエイジング全般に効果が期待できるとされています。

アスタキサンチンの育毛効果

育毛・発毛に関しても毛乳頭細胞や毛母細胞の酸化を阻止することは、健康な髪を製造する上でも重要なファクターとなります。

アスタキサンチンには、その抗酸化作用で細胞の老化を防いで育毛を促進するほか以下のような育毛作用が期待できるとされ育毛剤や育毛シャンプーなどに配合されています。

IGF-1の増加

現在注目されている成長因子の一つにIGF-1(インスリン様成長因子)というものがあり、これが髪の毛の成長に深くかかわっていることがわかっています。

IGF-1は、毛母細胞の細胞分裂に働きかけ、髪の毛のヘアサイクルにおける成長期を延長させ、退行期や休止期を縮小させる働きがあるとされています。

アスタキサンチンには、胃や腸の知覚神経を刺激して成長因子であるIGF-1の分泌を増やす作用があることがわかっています。

※知覚神経とは、皮膚や内臓、血管などの体の各部分からの情報を中枢に伝える神経です。知覚神経が刺激されると、IGF-1の産出に欠かせないCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が分泌され、IGF-1を増加させます。

アスタキサンチンが含まれる食べ物

アスタキサンチンが多く含まれる食べ物は、鮭やえび、カニ、いくらなどの赤い魚介類です。アスタキサンチンが赤いパワーと言われるのはこのためです。

海のもので赤いものにはだいたいのものに含まれていますが、マグロやカツオには含まれていません。

油と一緒に摂取すると効率が良くなると言われています。

また、白ごまとアスタキサンチンを同時に摂取することで体内での吸収率を高めることができるとしてセサミンと一緒に配合するサプリメントもあります。

アスタキサンチンの抗酸化力や眼精疲労への効果などを感じるために必要な一日の摂取量は、およそ6㎎と言われていますが、食事から摂取する場合は、例えば、えびや鮭の場合でも100gの摂取でせいぜい1mg~3mgほどしか摂取できません。

シャンプーを活用するほか、少し高価になりますが、てっとり早くサプリメントを活用するのもおすすめです。