馬油に期待できる育毛効果
馬油(バーユ・マーユ)とは、その名の通り馬の油脂で、食肉用の馬や廃棄される元競走馬のたてがみや皮下脂肪からとれる油分を精製したものです。
古くから火傷や切り傷、あけぎれなどの民間治療薬として広く活用されてきており、現在でも美容関連商品など様々な商品に活用されています。
温泉に行くと必ずといっていいほど馬油シャンプーが使われています。
この馬油、古くは、5~6世紀頃の中国の医師、陶弘景の名医別録に
・馬の油は髪を生ず
と書かれているように育毛にも効果を発揮することが語り継がれてきました。
現在のところ、馬油の直接的な育毛効果については解明されたり認められたりしている訳ではありませんが、馬油の持つ
- 皮脂を溶かして除去する作用
- 皮膚の保護作用
- 抗酸化作用
- 抗菌・殺菌作用
- 保湿・保温作用
- 抗炎症作用
などが、頭皮環境を健やかに整えて髪の毛が生えやすい環境を作っているのではないかと考えられています。
また馬油には、人間の細胞膜をつくるために欠かせない「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。この不飽和脂肪酸には「αリノレン酸」が含まれており、毛髪の発育や皮膚の状態を正常にする働きがあると言われています。
不飽和脂肪酸が不足すると皮膚障害を起こす恐れがあり、頭皮環境においても薄毛や抜毛の原因になる可能性があると言われています。
そして特筆すべきは、強力な浸透力です。
人間の皮脂に非常に近い性質を持っている馬セラミドが頭皮の表面に油膜を張って外部の刺激から保護すると共に、角質層まで浸透することで栄養が速やかに頭皮内へいきわたり、なおかつ内部の空気を追い出すことで酸化を防ぐなどして、健やかな頭皮環境をつくるよう働きかけます。
油ですのベタつくのかと思いがちですが、驚異的な浸透力でスーッと浸透するとサラサラになります。この性質もスキンケア商品やシャンプー、育毛剤などに使用される理由の一つと考えられます。
頭皮環境を整えて育毛を促進する効果が期待され、近年は、男性用・女性用を問わず、様々なスカルプケアシャンプーや育毛剤などに配合されています。