自毛植毛のFUEとFUTの違い。どっちがいいか徹底比較

自毛植毛のFUEとFUTの違い。どっちがいいか徹底比較

自毛植毛におけるドナーの採取方法にはFUE法とFUT法があります。

ここではFUEとFUTの違いと、どっちが自分に合っているのかの判断材料となる情報を解説します。比較してどちらを選択するかの判断材料の一つにして頂ければと思います。

自毛植毛におけるFUEとFUTの違い

植毛には自分の髪の毛を移植する自毛植毛と人工の髪の毛を植えつける人工毛植毛がありますが、FUE法とFUT法は、自毛植毛を行う際のドナーの採取方法です。

手術を受ける上で気になるのは、生着率や傷跡、痛み、費用といったことがありますのでこれらについてそれぞれの特徴を解説していきます。

FUE法とは?その特徴

FUEとは、FOLLICULAR UNIT EXTRACTIONの略で日本ではFUTより歴史の古い術式です。

FUEは、メスを使わない植毛と言われており、AGAの影響を受けない後頭部や側頭部からパンチと呼ばれるくり抜き器具を使用して1つ1つのドナーを採取していく方法です。

通常は、髪の毛をバリカンで刈った後、人の手で1つ1つのドナーを採取していきますが、クリニックによっては刈らないで採取したり、また採取をロボットに委ねているところもあります。

FUTは頭皮ごと切り取ってその上下を縫い合わせるため頭皮が硬い人には不向きと言われていますが、FUEは、頭皮は切り取りませんので頭皮の硬い人に適した術式と言えます。

採取したドナーは、医師または看護師によって植毛箇所に1つづつ植えつけられます。

FUEの生着率

生着率とは、植え付けた髪の毛が無事に生えてくる確率を差します。

FUEは、一つ一つの毛包をパンチでくり抜くという細かい作業が要求されるため、一般的にはドナーを採取する際に毛根を切断したり傷つけてしまう可能性が高くなると言われています。

毛根が切断されたり傷つけられてしまうと、髪の毛が生えてこなかったり、生えてきても細くて元気のない髪だったりと結果として生着率が低くなってしまいます。

このように、FUEによる生着率は手術を行う医師と看護師の技術に左右されますので、FUEは熟練した技術を持った経験豊富なクリニックで受けることが重要です。

医師と看護師の技術

FUEの傷跡

メスで切らずにミリ単位以下で1つ1つの毛包をくり抜きますので大きな傷は残りません。

術後しばらくはポツポツとした穴が目立ちますが、基本的には1週間ほどで穴も目立たなくなり、1ヶ月もすれば穴も傷跡も殆ど分からなくなります。

fueの傷跡

基本的に、というのは、髪の毛を大量に採取した場合や、未熟な医師が狭い範囲から大量の髪の毛を採取したりした場合に後々白い斑点のような傷が残ったり、髪がスカスカになったりすることもあるためです。

採取箇所をちらしながら適正な本数を一定以上の技術を持った医師が採取すれば、生えてきた髪の毛で隠れるだけでなく、傷そのものが目立たなくなります。

FUEの痛みや痒み

手術中は局部麻酔や精神安定剤などが併用されますので痛みを感じる人は殆どいないようです。

術後は麻酔が取れると採取したドナーの数でも度合いは異なってきますが、ズキンとしたり、シャンプー時に沁みたりとそれなりに痛みはあります。痛みが酷い場合は処方された痛みどめを服用します。麻酔が取れた時をピークに日が経つにつれ段々と痛みは治まっていきます。

尚、厄介なのは痛みではなく痒みだと言う人もいます。痒みは3週間から2ヶ月ほど続く場合があります。

FUT法とは?その特徴

FUTとは、FOLLICULAR UNIT TRANSPLANTATIONの略で日本ではFUEより新しい植毛技術です。世界の主流はFUT法による植毛だと言われています。

FUTは、メスを使う植毛と言われており、FUEと同じくAGAの影響を受けない後頭部の髪の毛をバリカンなどで刈り取った後、皮膚ごとメスで切り取ってドナーを採取する方法です。

切り取った皮膚の上と下はすぐに縫合処理が施されます。

採取されたドナーはその後の移植のための株分け工程にまわされ、その後、FUEと同様に医師または看護師によって植毛箇所に1つづつ植えつけられます。

FUTの生着率

FUTは、例えば2cm×10cmといった皮膚ごと切り抜き、その後慎重にドナーが採取できるためドナーの毛根切断率が低く一般的に生着率も高いと言われています。

FUTの傷跡

例えば、2cm×10cmといった皮膚を切りぬく場合は、横10cmほどの傷跡が残ります。

FUEによる傷跡と比較すれば目立ちますが、2~3cm程度以上の髪の毛が生えている分には傷跡は目立ちませんので将来坊主やスキンヘッドにする予定のない人であれば特に問題はないと思います。

FUTの痛みや痒み

手術中は局部麻酔や精神安定剤などが併用されますので痛みを感じる人は殆どいないようです。術後、麻酔が取れた後は皮膚毎切り取っていますのでFUEと比較すれば痛みや感知するまでの時間は大きくなります。

近年は、傷縫合の際にトリコフィティック縫合法という技術を採用しているクリニックもあり、この場合はより傷跡が目立たなくなっています。

FUEとFUTの比較

生着率・傷跡・痛み

FUE法は、FUT法と比較すると
・傷跡が目立たない
・痛みが少ない
というメリットがある反面、FUEの生着率に関してはクリニック(医師や看護師)の経験値や技術力に委ねられるというデメリットがあります。

痛みは数ヶ月もすれば治まりますが、生着率と傷跡は一生ものです。

生着率に関しては一般的にはFUTの方が高いと言われていますが、医師や看護師の経験値・技術力によっては、FUEの方が高い場合もありますので、FUEを行う場合は、とにかくいいクリニックを選ぶことが植毛成功のカギを握ります。

生着率、傷跡、痛みに関しては、優れた医師によるFUEによる方が、高い満足度が得られるのではいかというのが当サイトの見解です。

その他FUE・FUTのメリット・デメリット

その他FUEのメリット・デメリット

FUEには、移植するドナーを医師自ら選択できますので、毛穴あたりの本数などを確認して効率的に採取・移植できるというメリットがあります。

そのため、同じ「株数」を移植するにしても移植する「本数」を多くし、移植先のボリュームをより多く出すといったことも可能です。

株と髪の毛の本数

勿論、こういったことを考慮しながらやるか否かはクリニック(医師)によります。

また、FUEは細かい作業が要求されるため一度に移植できるドナー数がFUTと比較して少ないと言われてきましたが、近年は医師の技術も向上してきており、そうとも言い切れなくなってきています。

いずれにしてもFUEを選択するのであれば熟練した医師(クリニック)で施術を受けることが何よりです。公式ページだけを見て判断するのではなくネット上の口コミなども見て判断するようにしましょう。

一方、費用については、美容手術のため保険適用外で高額になります。

特にFUEは、細かい作業を強いられるためFUTによる費用より高額になることがあげられます。これはFUEのデメリットと言えます。

ただ近年はFUEでもドナー(株)の採取作業を植毛ロボットに委ねているところもあり、その場合は一般的に価格は安くなります。

まとめ

以上、FUEとFUTの特徴を見てきましたが、どちらの術式にも一長一短あります。

FUEFUT
生着率クリニック
(医師と看護師)
の技術力次第
安定している
傷跡適正な採取で
目立たない
やや目立つ
痛みFUTに比べて
痛みは少ない
FUEに比べて
痛みは大きい
費用FUTに比べて高額
ロボットの場合は
比較的安価
FUEと比較して
一般的に安価

痛みは数ヶ月もすれば治まり、生着率と傷跡は一生ものという観点からすれば名医によるFUE法が最もおすすめです。

ただ、FUEは医師と看護師の共同作業であることが多く、満足のいく結果を出すには医師だけではなく看護師の技術も求められます。

看護師の技術

以上のFUE・FUTのメリット・デメリットを加味してどちらかを選択することになります。

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