眼精疲労と薄毛

眼精疲労と薄毛

眼精疲労は、育毛に必要な成分を奪い薄毛の原因となる場合があります。

ここでは、眼精疲労と薄毛の関係、また眼精疲労による薄毛対策や効果的な育毛シャンプーはないかを探ります。

眼精疲労と薄毛との関係

ちょっと意外かもしれませんが眼精疲労は薄毛を引き起こす原因になると考えられています。

特に前頭部生え際部分(M字部分)の薄毛に関係があるという見解もあるようですが実際のところどうなのでしょうか。

原因はシステインの奪い合い?

髪の毛は、主にケラチンというタンパク質でできていますが、そのケラチンを形成しているのがシステインというアミノ酸です。

システインは、丈夫な髪や爪、肌のケラチンを形成する働きや代謝に関与する酵素を活性化させたり、毒素を積極的に排出して肝臓や脳を保護する働き、また、老化を抑える抗酸化作用などがあります。

タンパク質の構造を安定させて髪を太くするコラーゲンの生成に役立つため、髪を丈夫にし、抜け毛や薄毛、パサつきなどの髪の痛みなどを改善する作用があるのです。

従って、この髪の原料ともいうべきシステインが不足すると、切れ易かったり抜け易かったり弱くて細い髪が作られるようになり抜け毛や薄毛の原因となってしまいます。

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そして、このシステインは、眼精疲労時の網膜の傷の修復にも使用されます。

パソコンやスマホなどで目を酷使して網膜が傷ついた場合、その網膜の傷を修復するのにこのシステインが使われるのです。

また、眼精疲労の改善にはビタミンB群も消費されます。

つまり、眼精疲労と薄毛は直接的な関係はないものの、網膜の傷の修復や眼精疲労の改善にシステインやビタモンB群が使用されると髪の毛を育てる方にまわるシステインやビタミンB群の量が不足してしまい、薄毛になるリスクが高くなるという訳です。

また、飲酒をするとアセトアルデヒドという物質が体内に蓄積されますが、このアセトアルデヒドを分解する時もシステインが使われるます。

最近、毛髪が細くて弱々しくなってきたと感じる方は、お酒を控えたりパソコンやスマホ、携帯電話、テレビゲーム、テレビ、読書などを長時間継続する場合は適度に目を休めるように心がけた方が良さそうです。

尚、眼精疲労のよる薄毛が特に前頭部生え際部分(M字部分)の薄毛に関係があるという見解も見受けられますが、これについては、女性のM字薄毛(ハゲ)が殆ど見当たらないことを考えるとあまり信憑性はないものと思われます。

薄毛の症状が最も早く表れる箇所の一つが前頭部のM字生え際部分と言われています。そして、薄毛対策・育毛対策が最も困難と言われるのもM字前頭部生え際部分と言われています。前頭部M字生え際部分の薄毛対策・育毛対策を探ります。
参考:生え際の薄毛対策

眼精疲労による薄毛の対策

日頃、液晶テレビやパソコン、スマホ、携帯、テレビゲームなどを長時間使用している方で髪が全体的に弱々しく薄くなってきたと感じている方は、眼精疲労による薄毛を疑った方がいいかもしれません。

眼精疲労によるシステイン不足で発症する薄毛はAGA(男性型脱毛症)による症状とは異なりますのでその対応策も異なります。

眼精疲労の軽減

眼精疲労の症状を自覚したときは、パソコンを使った作業やスマホの見すぎなどで目を使いすぎていないか、メガネやコンタクトレンズの度数が合っているか、など、原因に応じた対策をとる必要があります。

それらの連続した使用時間を抑え、止むを得なく長時間使用する場合は、1時間ごとに10分程度目を休めたり、簡単なストレッチなどを取り入れるようにしましょう。

また、眼精疲労はただ単に目を使っていても、その姿勢であったり見るものによっても疲労の程度が変わってきます。

特にパソコンで作業する場合は、その姿勢や目とディスプレイとの距離には注意を要します。椅子とディスプレイの配置位置も目の疲れに大きく関係してきます。ディスプレイは40cm以上離して正面よりやや下に配置し少し見下ろすような姿勢で作業するのが望ましいとされています。

また、眼精疲労の軽減・改善には、ビタミンB群の他にも、ビタミンE、ルテインやアントシアニン、DHA・EPAなども有効と言われています。これらは、サプリメントとしても販売されています。

ブルーライト対策

近年、話題になっているブルーライトは、可視光線の中で、最も強いエネルギーを持つ光で角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達すると言われています。

パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明、また液晶テレビには、このブルーライトが多く含まれています。

ブルーライト対策には、ブルーライトを一定割合遮断するメガネ(通称PCメガネ)やフィルムも販売されています。パソコンや液晶テレビの場合は、LED照明の設定を変更することでブルーライトを軽減できる場合があります。

不足したシステインの補充

また、眼精疲労による薄毛が疑われる場合は、システインやビタミンB群の補充が一つの対策となります。

食事やサプリメントなどでシステインやビタミンB群を摂取すれば、髪の毛の強度が増し、丈夫で抜けにくい髪が生成され、結果、抜けにくくなる髪の生成が期待できます。

システイン(食品ではシスチンと表示)は、肉類、魚介類、豆類に比較的多く含まれています。また、これらには、システインの原料となるメチオニンも含まれています。

しかし、これらに含まれるシステインやメチオニンの含有量は、健康維持のための必要量程度なので、眼精疲労による薄毛対策といった目的で摂取する場合はサプリメントや医薬品などから摂取するのが理想的と言えます。

システインは、ビタミンCと共に効率よく働き、メラニンの生成を抑える作用もあるので、ドラッグストアや薬局などで美白・美肌効果が期待できる化粧品や医薬品またはサプリメントとしても陳列されています。

尚、メラニンは、髪の毛に色をつける役割があることからメラニンの生成を抑える作用があるシステインの摂取は白髪にもつながりかねない可能性があることが指摘されています。白髪を気にしている方は注意が必要です。

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眼精疲労による薄毛対策の育毛シャンプー

残念ながら眼精疲労による薄毛に特化した育毛シャンプーや育毛剤などは特には見当たりませんが、アスタキサンチンは、眼精疲労の回復に効果的で網膜でもダイレクトに抗酸化作用を発揮すると言われていますので、アスタキサンチンの摂取は眼精疲労による薄毛対策として効果が期待できるかもしれません。

富士フィルムは、アスタキサンチンの持つ優れた抗酸化作用に着目して、様々な商品を開発しています。女性用のシャンプーのアスタリフトシャンプーもその一つです。

眼精疲労による薄毛が疑われる場合は、白髪リスクを覚悟してシステインをサプリメントや医薬品などで摂取するか、又は、極力眼精疲労を回避すべく、PCやスマホ、テレビなどをあまり見ないようにしたり、適度に目を休めたり、また、ブルーライト対策などを施したりするしかないと思われます。

飲酒量が多い方は、飲酒を控えることも対策の一つになります。

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