喫煙をすると薄毛リスクは高まるのか。喫煙と薄毛の関係

喫煙をすると薄毛リスクは高まるのか。喫煙と薄毛の関係

喫煙をすると薄毛リスクは高まるのか。ここでは、喫煙と薄毛の関係、喫煙が育毛に及ぼす影響について解説しています。

喫煙が薄毛リスクを高める要素

近年は喫煙する場所も激減し、愛煙家には肩身の狭い時代となってきました。男性の喫煙者は昭和のピーク時から3分の1ほどになったと言われています。

喫煙は肺がんなどの呼吸系器官の疾患を始め循環器疾患や消化器疾患など、様々な健康障害のリスクを高めるとともに生存率にも影響し、余命も喫煙者は非喫煙者よりおよそ10年短くなるというデータもあります。

また、タバコに含まれる有害物質や発がん物質は、本人の健康に悪影響を与えるだけでなく、家族や友人、職場の同僚など、周囲の人の健康にも悪影響を与えます。

そして、喫煙は、育毛にも悪影響を与えると言われています。

ニコチンの作用

ニコチンには発がん性物質は含まれていませんが、神経系に作用する毒性が非常に強く、血圧の上昇や血管の収縮などを引き起こす作用やその他の作用があり、依存性も非常に高い物質と言われています。

血管の収縮

喫煙により自律神経が刺激されると血圧が乱れ、血管が収縮。結果、血流が悪くなり、太くて健康的な髪を製造するために必要な栄養素や酸素などが毛根部分に十分に行き届かなくなります。

毛乳頭細胞や毛母細胞に十分に栄養が届かなくなるとその活動も阻害され、健康的な髪の育成に悪影響を及ぼし、細くてコシが無い髪の製造が繰り返され、結果、薄毛のリスクが高くなります。

症状が進行すると動脈硬化になり、血流が遮断され、重要な臓器に酸素や栄養を運ぶ事すら障害が出てきますので注意が必要です。

ビタミン類を破壊

ニコチンには、ビタミン類を破壊する作用があります。

喫煙をするとビタミンCを消費するという話を聞いたことがある方も多いと思いますが、その原因はニコチンによるビタミンの破壊によるものです。

特にビタミンCは、タバコ1本の喫煙でおよそ25mg消費されると言われているため、1日に1箱(20本)吸う場合であれば、500mgのビタミンCが消費されることになります。

ビタミンCには若さを保つ抗酸化作用や栄養の吸収を促進する作用がありますので、これを失うことは、育毛にとっても当然マイナスとなります。

さらに、ニコチンが奪うビタミンはビタミンCだけではありません。

髪の組成成分であるタンパク質の合成・補修作用を持つビタミンB12や血行を正常に保つビタミンEなども破壊してしまいます。

悪玉コレステロールが増加

ニコチンは、中性脂肪の合成を促進させ、血液中の悪玉コレステロールの量を増やし、善玉コレステロールの量を減らす作用があります。

体内では、悪玉コレステロールを減らすためにタウリンという物質を生成しますが、このタウリンを生成するために髪の育成に欠かせないシスチンの原料となるメチオニンという物質も消費してしまいます。

※尚、シスチンの原料となるメチオニンは、眼精疲労でも消費されてしまいます。

この影響で、髪の毛の生成に必要な栄養分が不足し、薄毛リスクが増加します。

悪玉男性ホルモンDHTを増加させる

ネット上では、「アメリカのハーバード大学の調査で、喫煙は、AGAによる抜け毛や薄毛の原因となる悪玉男性ホルモン:DHT(ジヒドロテストステロン)を増加させるという調査結果が出ている」との記事が多く見受けられます。

DHTは、男性の薄毛の原因として最もポピュラーなAGA(男性型脱毛症)による薄毛・抜け毛の元凶と考えられている物質です。このDHTがトリガーとなって毛母細胞に脱毛指令が出されることで髪の毛は抜け落ちてしまいます。

参考:AGA(男性型脱毛症)の仕組み

肝臓への負担

沈黙の臓器とも言われる肝臓は、髪の主成分であるタンパク質などの栄養素を合成する働きがありますので髪の製造にも密接な繋がりがあります。

喫煙によって体内に取りこまれたニコチンやタール等の有害物質は肝臓で解毒されます。

特にタバコに含まれるアセトアルデヒドは肝臓に対する毒性が高く、肝臓に対する負担も多大なものとなります。

肝臓に負担がかかると健康で太い髪の生成が疎かにされ、悪影響が出てきます。

禁煙で薄毛リスクを抑える

タバコは百害あって一利無しと言われるほど害があるものです。

言うまでもなく禁煙すると身体にいいことが沢山表面化してきます。食事がおいしくなったり、咳や痰が止まったり、何より様々な生活習慣病の危険因子が激減します。

育毛に関しても、禁煙は、育毛に必要な条件である
・血流改善(血行促進)
・髪への栄養補給
・肝機能向上
・AGAリスクの抑制
などにマイナスの影響を取り払うことができます。

また、タバコの煙がAGEs(最終糖化生成物)を増やすことも判明しており、喫煙者は非喫煙者に比べて糖化(硬化)のリスクが高いと言われています。

参考:薄毛を招く糖化とは

タバコを止めることで、薄毛リスクを減少させることができるだけでなく様々な健康被害のリスクも大幅に減少させることができますので、是非、禁煙をおすすめします。

参考:薄毛予防、薄毛改善に効果的な生活習慣