高級アルコール系洗浄成分とは?育毛シャンプーへの配合が敬遠される理由

高級アルコール系洗浄成分とは?育毛シャンプーへの配合が敬遠される理由

ここでは、高級アルコール系洗浄成分を配合した高級アルコール系シャンプーについて、その特徴やメリット・デメリットを解説します。

高級アルコール系シャンプーとは?

シャンプーはその洗浄成分(界面活性剤)の種類によって大きく、

  • 高級アルコール系
  • 石鹸系
  • アミノ酸系

の3種類のタイプのシャンプーに分けられます。

そして、高級アルコール系シャンプーとは、洗浄成分(界面活性剤)に高級アルコール系の成分が含まれているシャンプーのことです。

高級という名前が付いていますがいわゆる高価・高品質の高級という意味ではなく、アルコール分子中の炭素数が多いことを意味したネーミングだと言われています。

炭素数が6以上の場合に高級アルコール系と呼ばれます。

高級アルコール系シャンプーは原料が安くつくことから比較的安価で販売されています。

大手メーカーが量産して販売している男性用・女性用のシャンプーの殆どがこの高級アルコール系シャンプーで、一般家庭でも最も広く使用されています。

具体的には、

  • ラウリル硫酸ナトリウム(Na)
  • ラウレス硫酸ナトリウム(Na)
  • ラウレス硫酸アンモニウム

などが配合されているシャンプーです。

シャンプーボトルの裏面に記載されている成分表にこういった成分の表示があれば高級アルコール系シャンプーです。

一つの目安として「硫酸」という文字が見つかれば、高級アルコール系シャンプーということになります。

医薬部外品扱いではない通常の化粧品扱いのシャンプーであれば、全ての成分を配合量の多い順に表示しなければならないというルールがありますので成分表を見て確認することができます。

関連記事

シャンプーには「医薬部外品」とか「薬用」とか記載されているものと特に何も記載されていないものがあります。医薬部外品とは何なのか?何も記載されていないものは何なのか?などを簡単に解説します。薬事法(薬機法)による分類一[…]

シャンプーボトルの成分表を確認してはじめの方(概ね3~4番目まで)にこれらの名前が記載されていれば高級アルコール系の洗浄成分がメインの成分ということができ、5番目以降に記載されている場合は補助成分として配合されていると言えます。

高級アルコール系シャンプーの特徴

高級アルコール系シャンプーには以下のようなメリット・デメリットがあります。

高級アルコール系シャンプーのメリット

高級アルコール系シャンプーは、原料が安価なため販売価格も安価になります。

スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなどで1000円未満程度で簡単に入手することができます。シャンプーは日用品として必需品なので家計的には助かります。

使用感としては、少量でも泡立ちが良く、洗浄力も高いのが特徴です。

洗い上がりもスカッと爽快感が得られます。洗浄力が高いためオイリー肌など髪や頭皮のべたつきが気になる方には人気の高いシャンプーです。

高級アルコール系シャンプーのデメリット

育毛に関心のある方なら殆どの人がご存じのように、近年はスカルプケアブームで、この高級アルコール系シャンプーが悪者扱いされる風潮があります。

その理由は、頭皮への刺激が強く、また洗浄力が強すぎるためです。

洗浄力(脱脂力)が強いということはある意味優れた機能だと言えますが、頭皮の皮脂を必要以上に取りすぎてしまうのは良くありません。

皮脂はベタつきがあり、あまりいいイメージがありませんが、皮脂は汗と結合して皮脂膜となり、頭皮を保護する役割があります。

頭皮内の水分の流出を防いだり、他の細菌や病原菌などが繁殖することを防ぐなど頭皮環境を良好に保つ働きがありますので、これを必要以上に取りすぎると頭皮環境(育毛環境)に悪影響を及ぼしてしまいます。

皮脂は、毛乳頭と表皮の中間あたりに位置する皮脂腺から分泌される油分です。主にトリグリセリドという中性脂肪などからできており、分泌量は個人差のほか性別や年齢、気温や湿度によっても左右されます。
参考:皮脂の役割

脱脂力の強いシャンプーを使用すると必要以上に皮脂を洗い流してしまう可能性があります。

皮脂を取りすぎてしまうと頭皮が無防備になり、乾燥を引き起こしやすくなり、痒みや湿疹、炎症など肌トラブルの原因となる場合があります。

さらに、高級アルコール系成分はタンパク質変性作用が強いと言われています。変性作用とはタンパク質の性質を変えてしまう作用のことで破壊するに等しい作用です。

髪や頭皮はタンパク質でできていますのでタンパク質変性作用が及ぼす影響が頭皮や髪に良い訳がありません。

使い続けることで様々なトラブルが発生することが懸念されており、一部には皮膚から吸収されやすく体内への蓄積が懸念されるという見解(経皮毒)もあるようです。

経皮毒とは、皮膚からの吸収である経皮吸収によって有害な物質を体内に取り入れることです。賛否両論あるものの様々な病気のリスクを高めるという見解があります。

また、洗浄力が高いと、髪のキューティクルを傷つけて軋みやすくなるため、殆どの場合、軋みを解消するためにシリコンが配合されています。

シリコンは、髪の毛をコーティングして保護し、艶を出したり指通り、櫛通りをなめらかにするといった、特に女性に嬉しい効果がありますが、一方で洗い流しが不十分な場合は、頭皮の毛穴にシリコンがつまり、育毛にマイナスの影響を与えたり、育毛剤の浸透にも影響があるという見解もあります。

また、パーマやカラーのかかりにも影響を及ぼすという見解もあるため、特に配合されているシリコンの分子量の大きいリンスやコンディショナーを使用する場合は頭皮につかないよう、またしっかり洗い流すよう心がける必要があります。

男性用・女性用を問わずスカルプケアシャンプー・育毛シャンプーといったものにノンシリコンシャンプーが多いのはこのためです。

参考:ノンシリコンでおすすめのシャンプー

まとめ

このように高級アルコール系シャンプーには、多くのデメリットがあることから、長期的に使い続けることはおすすめできないというのが当サイトの見解です。

そのため、男性用・女性用を問わずスカルプシャンプー、育毛シャンプーと言われるものにおいては、殆どの場合、高級アルコール系洗浄成分の配合は敬遠されており、刺激が少なくて頭皮に優しい、それでいて脱脂力も強からず弱からず丁度いい適度な洗浄力を持ったアミノ酸系の洗浄成分が使用されています。

高級アルコール系シャンプーは、肌が強く、太い髪の毛がフサフサ生えており、薄毛には無縁の方が使うにはあまり問題ないと思いますが、肌の弱い方や乾燥肌の方にはおすすめできないシャンプーです。

将来の薄毛リスクに備えたい場合は、頭皮への刺激が少なく適度な脱脂力を持つアミノ酸系シャンプーがおすすすめです。

当サイトでは、アミノ酸系シャンプーの育毛シャンプーを厳選し、当サイト独自の評価で男性・女性別にランキング表示しています。

参考:アミノ酸洗浄成分をベースにした育毛シャンプーのランキング