パーマのかかりを長持ちさせるシャンプーの選び方

パーマのかかりを長持ちさせるシャンプーの選び方

ここでは、パーマの仕組みやパーマのかかりを良くしたりパーマのかかりを長持ちさせるシャンプー選びやシャンプーの方法、またパーマによる髪の痛みを補修するシャンプーについて解説します。

パーマの仕組み

髪の毛は、ケラチンというタンパク質でできています。そして、ケラチンは以下の18種類のアミノ酸から構成されています。

<髪の毛を構成する18種類のアミノ酸>
アラニン、アルギニン、アルパラギン酸、イソロイシン、グリシン、グルタミン酸、シスチン、スレオニン、セリン、チロシン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リジン、ロイシン

パーマは、このアミノ酸のうち髪の毛を構成する成分のうち最も比率が多い「シスチン」というアミノ酸に作用します。このシスチンは、切り離したり結合したりできるため、この特性を用いてパーマがかけられます。

パーマをかけたことがある方はご存じだと思いますが、パーマは一般的にパーマ液の「1剤」と「2剤」に分けてかけられます。

1剤で髪のキューティクルを開いて毛髪の中に浸透し、シスチンの結合を切断した後、2剤で、髪に巻かれたロットの形状通りのウェーブの状態で再度シスチンを結合して固定します。

つまり、1剤で髪の毛の芯をリセットし、2剤で形状通りに固めるイメージです。

ときどきロットを外してシスチンの結合状態を確認し、かかりが悪かった場合は、時間を置いたり1液や2液を2度つけるなどして結合を調整・強化させます。

パーマのかかりを良くするポイント

パーマのかかりをよくするためには、パーマをかける前の髪の状態も大切です。

コーティング剤が高配合されたシャンプー類は控える

パーマのかかりを良くしたいと思ったらパーマをかける数日前からシリコンやポリクオタニウム-10などのコーティング剤の入ったシャンプーやコンディショナー、髪の内部まで浸透するトリートメントなどは避けた方がいいでしょう。

特にコンディショナーやトリートメントに含まれているシリコンなどのコーティング剤は髪の毛の表面に厚い皮膜を作ってしまいますので、パーマ液がキューティクルを開いて髪の毛に浸透するのを妨げてしまい、パーマのかかりが悪くなる原因となります。

そういう意味では、整髪料の類もNGです。

石鹸系シャンプー類は控える

アルカリ性である石鹸系シャンプーは、髪の毛のキュ-ティクルが開きやすくなりますので、パーマのウェーブの状態を保っている髪の内部のタンパク質や色付けされた部分が流出する恐れがあり、パーマのモチが短くなったり、カラーの色抜けが早くなったりということが起こりうると考えられています。

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アミノ酸系シャンプーがおすすめ

ドラッグストアやスーパーなどで市販されているシャンプーで最も多いのが高級アルコール系洗浄成分を配合したものですが、高級アルコール系洗浄成分は、頭皮への刺激が強く、必要以上に皮脂を取り過ぎてしまう傾向があるので、パーマを長持ちさせたい場合のみならず、育毛のことを考えるとおすすめできません。

パーマを長持ちさせたい場合は、低刺激で頭皮に優しく育毛対策にも有効なアミノ酸系シャンプーの利用がおすすめです。

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パーマを長持ちさせるポイント

パーマは、薬剤の反応が終わればあとは時間とともにとれていきます。毎日シャンプーしたり紫外線にさらされたり、またブラッシングなど外的な刺激が大きければ、それだけパーマがとれる速さは早くなります。

パーマのかかりを長持ちさせるには、まずは薬剤の反応が終わるまでできるだけ刺激を与えないことです。パーマをかけた当日のシャンプーは避けた方が良いとされているのはこのためです。

パーマをかけた当日はシャンプーをしない

パーマをかけた日はシャンプーは控えた方がいいということを耳にした方も多いと思います。実際、パーマの直後は、髪がアルカリ性に傾き、シスチンの結合が不安定な状態で、キューティクルも閉じきっていない状態です。

この状態でシャンプー剤を使うと髪の内部結合が弱まり、パーマが落ちやすくなってしまいます。逆にシャンプーをしないことで、結合をより定着させることができ、結果、パーマのもちが長くなります。

さらに、パーマをかけた当日だけでなくその翌日、3日目とシャンプーをしない方がより持ちがいいという見解もあります。

特にストレートパーマは2日以上シャンプーを避けた方がいいと言われています。刺激を与えずパーマを長持ちさせるという点で理にかなっています。

シャンプーは洗浄力が程よいものを使う

パーマをかけた後しばらくは、洗浄力の強い高級アルコール系の洗浄成分を配合したシャンプーは避けたほうが良く、程よい洗浄力のあるアミノ酸系シャンプーでできればノンシリコンシャンプーを使うことをおすすめします。

また、シャンプーをする際は、熱いお湯は避け、ぬるめのお湯で優しく洗います。熱いお湯は髪の毛をより膨張させキューティクルを余計に開きますのでパーマのかかりや髪の傷み具合に悪影響を与える恐れがあります。

ゴシゴシと強い力で擦ったり洗ったり、長い時間をかけてシャンプーをすることもシスチンの内部結合が弱まる原因となるため良くありません。

さらに、パーマをかけると髪の水分が不足した状態になります。見解は分かれていますが、適度なトリートメントなどで髪に潤いを与えるとカール状態を長持ちさせ髪に艶を与えることができると言われています。

シャンプー後はすぐに乾かす

シャンプーをした後は、髪の毛が濡れたままで長時間放っておくのはNGです。従って、いわゆる自然乾燥は良くありません。

髪が濡れた状態では、髪の毛の表面のキューティクルがもろくなりやすく、髪内部の栄養分(タンパク質)が流れ出てしまう可能性があります。

また、自然乾燥は濡れている髪や頭皮に埃や雑菌がついてパーマのかかり具合にも影響するだけでなく、頭皮臭の原因になったり、痒みや肌荒れの原因となり、頭皮環境を悪化させ、育毛にも影響してきます。

お風呂上がりにはタオルドライ後にできるだけ早目にドライヤーで乾かすようにします。

外的刺激を抑える

長時間紫外線にあてる、髪が濡れている状態でブラッシングする、熱いお湯でシャンプーする、ドライヤーで髪の毛に必要以上に熱風をあてる、アルカリ温泉で洗髪するといったことは、刺激や化学反応でパーマがとれるリスクが高くなります。

また、整髪料や育毛剤(特にアルコールが高配合されたもの)などを使用している場合もその使用を控える方がパーマを長持ちさせるのには有効です。とはいえ育毛剤などは使用をストップすると育毛効果に問題が生じる場合がありますので、使用するのであればできるだけ髪の毛につけず頭皮だけに塗布するよう心がけましょう。

さらに、シャンプーの回数やシャンプーにかける時間を減らすことも刺激を減らしてパーマを長持ちさせることにつながります。冬場などは、2日に1回程度のシャンプーで構わないと思います。

パーマで傷んだ髪はシャンプーで補修

パーマやカラーリングで傷んだ髪はシャンプーたトリートメント、コンディショナーなどである程度補修(リペア)することができます。

守り髪シャンプーは、ナノリペアーCMCとアミノ酸保湿成分でパーマによる髪の痛みやパサつきを改善し、ナノリペアーELで髪にハリ・コシ感を与えます。さらに、アルガンオイルで頭皮と髪へ栄養を補給。頭皮と毛髪のダメージに優れた補修力を発揮します。

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