石鹸系シャンプーのメリット・デメリット

石鹸系シャンプーのメリット・デメリット

ここでは、石鹸系洗浄洗成分を配合した石鹸系シャンプーの特徴、メリットやデメリットについて解説します。

石鹸系シャンプーとは

シャンプーには洗浄成分である界面活性剤が配合されいますが、どのような界面活性剤が使われているかによって、
・アミノ酸系
・高級アルコール系
・石鹸系
の3種類に大別されます。

石鹸シャンプーとは、界面活性剤に石鹸系の成分が含まれているシャンプーのことです。

石鹸は古くから使われてきた歴史があり、動植物の油(油脂、脂肪酸)が原料となっているものが多く、アレルギーなどを起こすリスクも低く環境にも人体にも優しいため顔や体など全身に安心して使うことができます。

成分的には昔ながらの固形石鹸と殆ど変わりません。弱アルカリ性で肌への刺激が少なく洗浄力があるのが特徴です。

石鹸系シャンプーはドラッグストアやスーパー、量販店などで販売されており、一般的にはシャンプーのパッケージに石鹸系シャンプーであることが明記されています。

シャンプーボトルの成分表に、
・脂肪酸ナトリウム
・脂肪酸カリウム
・石けん素地
・石けん分
などの記載が見当たれば、石鹸系シャンプーです。

石鹸は、アルカリの種類によって、大きく
・脂肪酸Na(ナトリウム)と
・脂肪酸K(カリウム)
に分けられます。

脂肪酸ナトリウムは、ソーダ石鹸とも言われ、油脂(脂肪酸)を水酸化ナトリウムで反応させた界面活性剤です。

石鹸の分子が小さく皮膚の角質細胞に入りやすいという特性があるため、石鹸に化学成分の添加物が含まれていると添加物が肌の奥へと入り込んで刺激を与えるという問題もあります。固形石鹸や粉石鹸として使用されています。

脂肪酸カリウムは、油脂(脂肪酸)を水酸化カリウム(苛性カリ)で反応させた界面活性剤です。水に溶けやすい液状で、分子が大きいことから水ですすぐと簡単に落ち、肌への刺激が小さいという特性があります。液体石鹸などに利用されています。

尚、他の合成シャンプーの使用から石鹸シャンプーに切り替えてしばらくは泡立ちが悪かったり、ギシギシと軋みが出たりすることがあります。

これは、以前まで使用していた合成シャンプーのコーティング剤が髪の残留している場合に起きやすい現象です。

1ヶ月ほど使って以前まで使っていたシャンプーの残留物がすべて洗い流されてしまえば、泡立ちや指通りも改善してくると思われます。

石鹸系シャンプーのメリット

高い生分解性と強い脱脂力

石鹸は、生分解性が高いことと洗浄力の高さが魅力です。

生分解性とは、微生物などによって分解されて無機物へ分解されることを言い、生分解性が高ければ、それだけ自然環境への負荷も低くなります。

化学製品を使わず天然素材を活かしている無添加ノンシリコンが基本なので高級アルコール系洗浄成分のように肌や頭皮に負担(刺激)を与えません。

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従って石鹸シャンプーはアレルギー体質や敏感肌の人にとっては向いています。

一方で洗浄力が強く皮脂を取り過ぎる傾向がありますが、高級アルコール系と比較するとマイルドなため、その点メリットということもできます。

洗浄力が強いため毛穴の汚れもきれいに除去でき、さっぱりとした爽快感のある洗い上がりになります。その点、オイリー肌の人には向いていると言えます。

価格もアミノ酸系のシャンプーと比較すると安価です。

石鹸系シャンプーのデメリット

強い洗浄力

洗浄力という点では高級アルコール系と比較するとやや弱めですが、アミノ酸系と比較すると強めになります。このため、場合によっては必要以上に頭皮の皮脂を取り除いてしまう場合があります。

皮脂は、汗と混じって皮脂膜となり、細菌やウィルス、また紫外線などの外敵から頭皮環境を守るという重要な働きがあります。

皮脂には頭皮環境にとって重要な役割があります。皮脂腺から分泌された皮脂は、毛穴を通って皮膚の表面に分泌され、汗と混ざって皮膚の表面を覆う皮脂膜を作り、頭皮を保護して外的刺激から頭皮を守ります。
参考:皮脂の役割

強い洗浄力で皮脂を取り過ぎると頭皮のバリア機能が壊れ、乾燥を招いたり、肌トラブルの原因となる場合があり、育毛にも悪影響を与えかねません。

実際、抜け毛や薄毛に有効と考えられている一方で、抜け毛が増えた、皮脂が増えて痒みや頭皮臭の原因となったという口コミも少なからず見られます。

そのようなこともあり、頭皮環境の改善にはアミノ酸系シャンプーと比較してやや不利という見解があります。

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また、石鹸シャンプーには、髪の毛に浸透してダメージを補修したり、頭皮環境を整えるといった機能も期待することはできませんので特に髪の傷みが激しい女性用のシャンプーのメイン洗浄剤としても不向きと言えます。

基本的に泡立ちはあまりよくなく、特にミネラルを多く含む硬水を使用してシャンプーする場合は、泡立ちが極端に悪くなる場合があり、また、石鹸カスが頭皮や髪に残留しやすいといった特徴があります。

石鹸カスで頭皮環境が悪化することも

石鹸カスは、水道水に含まれるカルシウムイオンと石鹸が結合してできます。

石鹸カスは水に溶けないので、頭皮や髪の毛の表面に吸着する場合があります。

頭皮に吸着している脂肪酸も、カルシウムイオンと結合して石鹸カス(脂肪酸カルシウム)になります。 石鹸シャンプーでシャンプーした後に髪や頭皮に白い粉のようなものが残っている場合はこの石鹸カスかもしれません。

石鹸カスを放っておくとカビや雑菌の温床になるので非常に不衛生なことになります。特にすすぎの時に大量の石鹸カスが発生するので入念に洗い流すよう心がけましょう。

弱アルカリ性で髪のきしみ、ごわつきの原因に

石鹸はアルカリ性のものが殆どです。

アルカリ性である石鹸系シャンプーを使用すると、髪の毛のキュ-ティクルが開きやすくなり、洗い上がりは髪がきしんだりゴワついたりする場合があります。

キューティクルが開いている場合は髪の毛が傷みやすくなるため、石鹸シャンプーの場合は、摩擦が発生するようなシャンプーの仕方は抑え、できるだけ迅速にシャンプーした方が良いと言われています。

シャンプーの泡を洗い流す場合もできる限りシャワーの水圧で流すようにします。 キューティクルの開きによるためか、カラーや白髪染めの色落ちが早かったり、パーマのモチが短くなったりという声も多く聞かれます。

また、頭皮や髪に残ると育毛などへも悪影響を及ぼすと考えられています。特に、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方など皮脂の分泌が少ない方には、脱脂力が強く、また、弱酸性に戻るのに時間がかかるので アルカリ性のものは避けた方が良いでしょう。

また、私たちの髪や頭皮は弱酸性ですので、アルカリ性になってしまった髪と頭皮を弱酸性に戻すために石鹸シャンプー後にクエン酸やお酢などを配合した酸性のリンスで中和する必要があります。

石鹸シャンプーは、無添加で自然派志向の方から多く支持されていますが、使い勝手があまりいいとは言えず、慣れるまでにも数ヶ月から半年ほどかかると言われています。

まとめ

このように石鹸シャンプーは、天然素材から構成されているため肌や頭皮に負担をかけませんが、一方で洗浄力が強く皮脂を取り過ぎて頭皮環境を悪化させるリスクや、石鹸カスや弱アリカリ性という特徴による使い勝手の悪さというものがあります。

また、使用する方の体質や髪質でも向き不向きが出てきます。

そのため、抜け毛・薄毛対策として考える場合は、皮脂を取りすぎず、低刺激で頭皮に優しく、保湿性に優れたアミノ酸系シャンプーに軍配があがると考えられています。

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