薄毛・抜け毛には早めの対策が重要な理由

薄毛・抜け毛には早めの対策が重要な理由

薄毛対策は放置せず早めに対策を打った方がいいと言われます。ここでは、どうして薄毛・抜け毛対策は早いほうが良いのか解説します。

ヘアサイクルは永久に繰り返されるのか

薄毛対策・抜け毛対策・AGA対策は早めに手を打つことが重要というのを耳にしたことがある方も多いと思います。

これは単に薄毛・抜け毛対策を煽っているのではなく、ヘアサイクルの繰り返し回数と毛母細胞の活動に関係があるためだと考えられています。

ヘアサイクルとは

ご存じのように、髪の毛はずっと生え続ける訳ではなく、生えては抜け、また生えては抜けを何度も繰り返しています。

そして、この髪の毛が生えてから抜けるまでの一周の流れ(サイクル)をヘアサイクル(毛周期)と言っています。

ヘアサイクルは、大きく
・成長期
・退行期
・休止期
の3つのフェーズで成り立っており、正常なヘアサイクルの場合、髪の毛は2年から6年ほど成長した後、数ヶ月で抜け落ちてしまいます。

正常なヘアサイクル

見方を変えれば、髪の毛は毛母細胞の分裂で製造されていますので、ヘアサイクルは、毛母細胞の細胞分裂の開始から終了までの流れとも言うことができます。

このように毛母細胞の細胞分裂は永久には続かない訳ですが、その分裂回数は、細胞内のDNA(染色体)の端に存在するテロメアという細胞分裂の回数券のような働きを持つものによってコントロールされていると考えられています。

そして、細胞分裂を繰り返すたびにこのテロメアが短くなり、一定回繰り返すと細胞分裂は終了すると考えられています。

テロメアは、一定数以上に少なくなると新たな細胞分裂ができなくなることから命の回数券とも言われており、その回数は、組織の細胞で異なりますが、毛母細胞の場合は、50回ほどと考えられています。

そして、このテロメアの減る速さは一定ではなく、心理的なストレスなどでも減り方が早くなると考えられています。

こうして細胞分裂の終了とともに一つのヘアサイクルが終了して髪の毛が抜け落ちる頃には、その奥で再び新しい髪の毛が成長をはじめています。

このヘアサイクルは髪の毛1本1本で異なるため、一斉に抜け落ちる訳ではなく、それぞれで抜け落ちる時期、生えてくる時期も異なります。

髪の毛が成長する仕組み

毛乳頭細胞は、毛細血管を流れる血液から酸素や栄養素を受け取り、毛母細胞に指令を与えます。この指令は発毛指令であったり場合によっては脱毛指令であったりします。

発毛指令を受けた毛母細胞は細胞分裂を繰り返し、製造した毛髪を上へ上と押し上げながら形成していきますが、寿命を全うすると細胞分裂を一旦終了してしまいます。

1回のヘアサイクル(発毛から脱毛まで)を終了するとまた新しい髪の毛が生えてきますが、これは細胞分裂を停止していた毛母細胞が再度活動を開始する訳ではありません。

毛母細胞より頭皮に近い部分に存在するバルジ領域というところから新しく「幹細胞」の提供があり(下に降りてきて)、それが毛母細胞へと分化して、再び、髪の毛を製造していくと考えられています。

※幹細胞とは、自分と同じ能力を持った幹細胞をコピーできる能力(自己増殖能)と他の様々な細胞になることができる能力(多分化能)をもった細胞です。

バルジ領域の場所

つまり、毛母細胞が分裂を終了しても幹細胞から新しく毛母細胞が作られ細胞分裂を再び開始して髪の毛が製造されるという訳です。

ヘアサイクルの繰り返し回数には限度があった

こうして抜けた髪の毛も再び生えてくる訳ですが、この繰り返しは無限に起こる訳ではなく、その回数は、15回ほどと考えられています。

ヘアサイクルを私たちは一生のうち15回くらい繰り返します。
引用元:サントリー:専門医に聞く「気になる髪と年齢の関係」

無限に繰り返されないからこそ髪の毛が生えてこなくなるといったことにもなる訳です。

従って、成長期の期間が長い正常なヘアサイクルを十分な回数繰り返すことができれば、髪の毛は限りなく長期的にフサフサの状態を保つことができるということになります。

逆に、何らかの理由で1つのヘアサイクルの周期が短くなると、限界があるヘアサイクルの回数を早く消費してしまうということになるため、フサフサの状態も若くして終了してしまうといったこともでてくるのです。

尚、バルジ領域が発見されたのは、2000年頃のことで解明されていない部分も多くあります。ヘアサイクルの回数なども今後新たな見解が出てくるかもしれません。

バルジ領域は、近年発見された毛根部分に存在する領域で、この領域がヘアサイクルと密接な係りがあることがわかってきました。
参考:毛根鞘に存在するバルジ領域の働き

薄毛・抜け毛には早めの対策が重要

毛髪(毛母細胞)は、生えてから抜け落ちるまで、成長期・退行期・休止期という一連のヘアサイクル(毛周期)を経ますが、健康な毛髪の場合は、このヘアサイクルの中の成長期の期間が2年から6年続きます。

勿論、個人差はありますが、一般的に男性の場合は2~5年、女性の場合は3~6年と女性の方が若干成長期が長いと言われています。

仮に健康な毛髪で成長期の期間が5年続き(退行期・休止期は3~5ヶ月程度)、ヘアサイクルの繰り返し回数が15回だとするとヘアサイクルの活動は75年間以上続くことになり、生きている間に毛髪生成の終了が起こる可能性は非常に低くなります。

ところが、例えばAGA(男性型脱毛症)を発症すると、成長期にある髪の毛が十分な成長期間を経ずに、退行期・休止期へとシフトしてしまうため、1ヘアサイクルの期間は短くなってしまいます。

ヘアサイクルの期間が仮に1年と短くなった場合は、ヘアサイクルの繰り返し回数が例え20回だとしても、毛髪の成長活動期間は20年間となってしまい、生きている間に毛髪の成長活動は終了してしまいます(実際は休止期の期間が長いため生きている間の髪の成長期間が20年という表現はあてはまらないかもしれません)。

このケースの場合、仮に40歳でAGAを発症し、残りのヘアサイクルが10回だとしても50歳頃には、薄毛の部分が目立ってくるということになります。

勿論、全ての髪の毛がAGAの影響を受ける訳ではありません。AGAの影響を受けやすいのは、前頭部のM字型の生え際部分から頭頂部にかけてと言われています。

ヘアサイクルの繰り返し回数(バルジ領域からの幹細胞の提供)が終了し、髪の毛の製造が不能となってしまうと、通常の育毛・発毛対策ではもう手遅れということになってしまい、自毛植毛やカツラ、再生医療などに頼るしかなくなってしまいます。

ヘアサイクルの回数を消費しないために早めの対策を

このことからもわかるように、できるだけ早期に対策を打つことで毛母細胞の寿命を延命させて1つ1つのヘアサイクルの成長期の期間を長引かせることは、一生のうちに自分の髪の毛が生えてくる期間を延長する効果があることになります。

結果的に薄毛対策に捻出する費用も安くつくと考えられます。

これが、(主にAGAによる)薄毛・抜け毛には早めの対策が重要と言われる由縁です。

特にホルモンの分泌が活発な若い世代は、AGAなどの進行が速い傾向がありますので悩まずに早期対策・早期治療をしたほうがよいと言えます。

そういう意味では、今は目立った症状が表れていなくても将来のリスクに備えて予防することも重要です。

手遅れになって後悔する前に、日頃から偏った食生活を避け、規則正しい生活や睡眠、適度な運動を心がけ、ワンポイントとして育毛シャンプーやスカルプケアシャンプーを使用するなどの対策で早めに薄毛リスクに備えることをおすすめします。

参考:育毛シャンプーで早めの薄毛対策

AGA(男性型脱毛症)の発症が明らかになったり、頭皮が目立ってきたなどAGAの進行が進んでくると、生活習慣や食生活の見直し、育毛シャンプーのみの使用などでは対策としては不十分になります。

抜け毛・薄毛のなどが気になりだしたら、対策を延ばし延ばしにするのではなく、育毛剤や育毛サプリメントの使用、AGA治療などすぐに対策を講じることが大切です。