アミノ酸系シャンプーとは?アミノ酸系シャンプーのメリット・デメリット

アミノ酸系シャンプーとは?アミノ酸系シャンプーのメリット・デメリット

近年の育毛シャンプー、スカルプシャンプーというものの殆どがアミノ酸系洗浄成分を配合しています。ここでは、アミノ酸系シャンプーのメリット・デメリットについて解説します。

アミノ酸系シャンプーとは?

アミノ酸系シャンプーとは、洗浄成分(界面活性剤)にアミノ酸成分が含まれているシャンプーのことです。

シャンプーは洗浄成分である界面活性剤の種類によって大きく、

  • アミノ酸系
  • 高級アルコール系
  • 石鹸系

の3タイプに分けられ、洗浄に関してそれぞれ異なる特徴を持っています。

洗浄成分はシャンプーの顔

通常の化粧品扱いのシャンプーのボトル裏の成分表示を確認すると、殆どの場合、

  • 一番先に記載されているのが「水」
  • その次から洗浄成分である「界面活性剤」

が記載されています。

殆どの場合、水の割合が最も多く、60%以上を占め、その次に洗浄剤である界面活性剤が20~30%を占めています(残りはその他の様々な成分です)。

このように洗浄成分である界面活性剤はシャンプーの成分のうち大きな割合を占めており、シャンプーというものを評価する上で最も重要な要素となります。

通常、シャンプー容器の裏面を確認すると成分表示がされていますが、この成分表示は、一般的な化粧品扱いのシャンプーの場合、全ての成分を配合量の多い順に表示することが義務づけられています。

従って、その成分表示を確認することでアミノ酸系のシャンプーかどうかを確認することができます。

シャンプーの成分表

尚、化粧品扱いではなく、医薬部外品扱いのシャンプーは、全ての成分を表示する必要はなく(旧)表示指定成分のみ表示すればよいことになっており、成分の表示も配合量に関係なく順不同で良いとされています。

従って医薬部外品扱いのシャンプーは、効果効能を謳うことができる反面、どういった成分が配合されているかの詳細は分からないといったデメリットもあります。

アミノ酸系シャンプーとは

アミノ酸系シャンプーは、アミノ酸成分を洗浄成分の原料としたシャンプーです。

私たちの体の皮膚や筋肉、血管や内臓などは水やタンパク質で構成されていますが、このタンパク質を構成している成分がアミノ酸です。タンパク質は、数百個から数千個のアミノ酸が連なって出来ています。

私たちの身体の80%以上が水とタンパク質でできていますので、水を除けば、身体のの大部分がアミノ酸と言うことができます。

髪の毛も例外ではありません。

髪の毛はケラチンというタンパク質からできており、ケラチンは18種類のアミノ酸で構成されています。このようにアミノ酸シャンプーは私たちの髪や身体を構成するアミノ酸と同じ成分ですので体に優しいことがわかります。

また、アミノ酸系洗浄成分は、低刺激で頭皮と髪を痛めずに優しく洗いあげることができ、皮脂を取り過ぎないという特徴があります。

悪者扱いされることが多い皮脂ですが、皮脂には頭皮環境を良好に保つ重要な役割があります。つまり、皮脂腺から分泌された皮脂は、汗と混ざって皮膚の表面を覆う皮脂膜を作り、セラミドや天然保湿因子とともに頭皮のバリア機能を果たすのです。

頭皮や髪を覆って頭皮内や毛髪内からの水分の蒸発を防いだり、頭皮や髪の毛をなめらかにしたり、また、細菌やウィルス、紫外線などの外部の刺激から皮膚や毛髪を保護したりする作用があります。

頭皮の構造

この皮脂を必要以上に取り過ぎてしまうと頭皮の乾燥を招き、それが原因で、カサカサになってフケが増えたり、身体が不足した皮脂を補おうと返って皮脂の過剰分泌を引き起こす原因となる場合があります。

皮脂の過剰分泌も毛穴への皮脂のつまりや頭皮環境の悪化などを引き起こし、抜け毛や薄毛、細毛の原因になるなどの多くのデメリットがあると考えられていますが、かといって皮脂の取り過ぎも良くないのです。

その点、アミノ酸系の洗浄成分は、皮脂を取りすぎず、適度に洗浄しますので、抜け毛や薄毛で悩む人や敏感肌の人、乾燥肌の人やアトピー性皮膚炎、アレルギー体質の方も男性・女性を問わず安心して使えると行ったメリットがあるのです。

アミノ酸系界面活性剤を分類すると

  • グルタミン酸系
  • タウリン系
  • アラニン系
  • グリシン系
  • サルコシン系

などがあります。

  • ココイルグルタミン酸Na
  • ココイルメチルタウリンNa
  • ココイルメチルアラニンTEA

といったように成分の名前に上記の文字が入っていたらアミノ酸系洗浄成分です。

シャンプーによっては、複数のアミノ酸系成分を組み合わせたものもあります。

頭皮に優しく、良好な頭皮環境の維持に欠かせない皮脂も取りすぎるリスクが少ないため、育毛シャンプーと言われるものの殆どが高級アルコール系洗浄成分の配合を敬遠し、アミノ酸系の界面活性剤を採用しています。

但し、アミノ酸シャンプー、アミノ酸系洗浄成分使用と謳いながらも、アミノ酸系洗浄成分とは別に高級アルコール系洗浄成分を配合しているシャンプーも見受けられますので、高級アルコール系洗浄成分が配合されていないかも確認して選ぶ必要があります。

高級アルコール系シャンプーとは

スーパーやドラッグストア、薬局、コンビニなどで安価で大量に販売されているシャンプーの殆どが高級アルコール系シャンプーです。価格も安く殆どが1,000円以下で購入できるので経済的です。

高級という文字がありますが、いわゆる高級という意味ではありません。アルコール分子中の炭素が6つ以上含まれているものを高級アルコールと呼んでいるだけです。
成分表に、

  • ラウリル硫酸ナトリウム(Na)
  • ラウレス硫酸ナトリウム(Na)
  • ラウレス硫酸アンモニウム
  • オレフィン(C14-16)スルホン酸Na

といった文字が確認できたら高級アルコール系洗浄成分になります。

高級アルコールを原料としたシャンプーは泡立ちが良く洗浄力も強く、スッキリ、サッパリ気持ちよく洗いあがり、特に男性を中心に人気があるのですが、皮膚や髪に対する刺激が強く、頭皮の皮脂を取りすぎる傾向があります。

タンパク質変性作用(タンパク質を破壊する作用)もあり、人によっては、髪や頭皮のトラブルの原因となる場合があります。このため育毛を考えた場合は避けたい成分として、男性・女性用を問わず育毛シャンプー、スカルプケアシャンプーといったものには主要成分としてはほぼ配合されていません。

但し、髪のべたつきが気になる方や、脂性の肌質の方、日常的に汗をよく掻く方などには悪くないシャンプーです。

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石鹸系シャンプーとは

石鹸系シャンプーは、石けんを原料にしたシャンプーで、成分としては天然素材のものが多いのが特徴です。

人体に害のある成分を含まないので高級アルコール系洗浄成分よりも安全であると言えますが、洗浄力が強く刺激がやや強めなので肌の弱い人には向きません。

石けん自体がアルカリ性のため、キューティクルが毛羽立ち洗い上がりは髪がきしんだりパサついたりする場合があります。

また、水道水に含まれるカルシウム・マグネシウムといったミネラルと結合すると石けんカスが作られ、髪の毛のゴワつきを生む原因にもなります。

石けんシャンプーによってアルカリ性に傾いてしまった髪と頭皮を弱酸性に戻すために、クエン酸リンスなどの酸性リンスを使うといった必要性も指摘されています。

育毛を考えた場合は、良い悪いといった賛否両論がある成分です。

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アミノ酸系シャンプーのメリット・デメリット

近年、薄毛対策や育毛対策、また、将来の薄毛リスクへの予防としてスカルプケアシャンプー、育毛シャンプーといったものがブームになっています。

高級アルコール系や石けん系のシャンプーは、皮膚への刺激や洗浄力が強いことから、頭皮や髪のことを考えた低刺激のアミノ酸系シャンプーの需要が高まっています。

アミノ酸系洗浄成分は他の洗浄成分と違い圧倒的に髪や頭皮、肌にやさしいのが特徴です。

適度な洗浄力で皮脂を落としすぎず、頭皮や髪に優しく、保湿性、また髪の毛を補修し保護する作用もあるため頭皮環境の改善には適しているといったメリットがある一方で泡立ちが悪い、洗浄力が弱いといったデメリットもあります。

アミノ酸系シャンプーのメリット

アミノ酸系シャンプーのメリットとしては、

  • 低刺激なので髪や頭皮、肌に優しい
  • 弱酸性なので髪や頭皮を傷めない
  • 敏感肌の人や子供でも安心して使用できる
  • 適度な洗浄力で皮脂を落とし過ぎない
  • 硬水でも泡立ちが良い
  • 保湿性が高いため洗い上がりのパサつきが少ない
  • 髪の毛を補修し保護する
  • 生分解性に優れており環境に優しい

などがあります。

このようなことから、当サイトでも、アミノ酸系洗浄洗剤をベースにノンシリコンを基本とし、かつ育毛環境を整える天然成分を配合している育毛シャンプーのみを厳選し男性・女性別にランキング表示しています。

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アミノ酸系シャンプーのデメリット

一方でアミノ酸系シャンプーにも弱点があります。

アミノ酸系シャンプーのデメリットとしては、

  • 洗浄力がやや弱い(爽快感を感じにくい)
  • 泡立ちが悪い
  • 保湿性が高く髪が重たくなりがちなので髪のボリュームは出にくい
  • 原料が高価なため、商品販売価格もやや高い

といったことがあります。

強すぎる洗浄力は頭皮にとってはマイナスとなりますが、洗浄力が弱いのもシャンプーの基本機能を評価する上でマイナスです。

昨今の育毛シャンプーは、弱い洗浄力をカバーするため様々な天然成分を配合して洗浄力をカバーしています。

また、アミノ酸系シャンプーは、保湿性が高いため良くも悪くも洗い上がりがしっとりします。その結果、髪が重くなり、ボリュームが出にくい傾向があります。

尚、髪の毛のボリュームアップについては、天然成分を配合してボリュームアップを高める工夫がなされているアミノ酸系ボリュームアップシャンプーが存在します。

参考記事

髪の毛を多く見せる最も効果的で即効性のある方法、それがボリュームアップシャンプーの活用です。シャンプーによって翌日の髪の毛の状態は大きく変わります。8万本の髪の毛のある人が、シャンプーで髪の毛1本を3%太くすることができれば[…]