シャンプーは泡で頭皮を洗うもの

シャンプーは泡で頭皮を洗うもの

シャンプー剤を直接頭皮につけて洗うのは頭皮への刺激が強すぎるためNGです。

シャンプーは泡で頭皮を洗うものです。

髪の毛と頭皮の洗い方

ご存じのとおり、シャンプーには、髪の毛や頭皮の埃や汚れ、汗、余分な皮脂などを落とす役割があります。

育毛やスカルプケアを考えた場合、頭皮の汚れを落すことは重要ですが、特に汚れの落とし方には注意が必要です。

頭皮の擦り洗いはNG

男性用シャンプーなどのCMでは、指の腹で頭皮をゴシゴシ擦っているシーンが見受けられます。確かに若い頃は、髪や頭皮も元気で、多少ゴシゴシ擦っても平気でした。

しかし、加齢とともに髪の毛や頭皮が弱ってきている場合は、このようなゴシゴシ擦り洗いは禁物です。髪や頭皮を通して毛根部分に余計な負担がかかり、育毛に悪影響を及ぼしてしまう場合があるためです。

擦り洗いは必要な皮脂まで取り除く

頭皮は、外部からの刺激や乾燥から守るために

  • 皮脂膜
  • NMF(天然保湿因子)
  • 細胞間脂質

などで保護されています。

皮脂は、毛乳頭と表皮の中間あたりに位置する皮脂腺(脂腺)から分泌される油分です。 皮脂は、毛穴を通って皮膚の表面に分泌され、汗と混ざって皮膚の表面を覆う皮脂膜を作ります。
参考:皮脂の役割

これらは、頭皮の潤いを保持したり外部からの刺激から頭皮を守る役割をしていますが、洗浄力の強いシャンプーを使ったり、必要以上にゴシゴシと洗うとこれらの保護膜が破壊されてしまい、頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。

これらの保護膜が不足してしまうと細菌や紫外線など外敵からの刺激にさらされたり頭皮の乾燥を招くなどして頭皮環境を悪化させてしまい、抜け毛や薄毛の原因となる場合があります。

擦り洗いは新生毛を傷つける

新生毛とは生まれたての毛で産毛の前の段階の髪の毛のことです。

非常に細くてまだ髪の毛には色もついていない状態のため目視で確認することも困難な毛です。目では見えなくてもスコープなどで確認するとはっきりと確認できます。

新生毛は産毛となりやがて成長毛と成長していく大事な髪の毛です。

新生毛の毛根はまだ頭皮の奥深くに力強く根付いておらず、頭皮の非常に浅い部分に存在するため、非常に抜けやすく、擦る程度の弱い力でも簡単に抜け落ちてしまいます。

AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性の男性型脱毛症)の場合、その性質上、前頭部生え際部分や頭頂部分には多くの新生毛が存在していますので、シャンプーなどでゴシゴシ擦り洗いをする場合は多くの新生毛を失うリスクがあります。

新生毛が抜け落ちても気づかない場合が殆んどですので自分の大切な髪の毛を失っていることすら気づきません。

せっかく芽を出した生えてきたばかりの髪の毛を成長する前から擦り取っていては育毛に良い訳がありません。

髪の毛にはヘアサイクルというものがあり、十分に成長した後は退行期・休止期に移り、寿命をまっとうして抜け落ちてしまいますが、新生毛はこれから成長していく髪で本来抜けるべき髪の毛ではありません。

できるだけ、新生毛を保護して成長期へと進めてやることが重要です。

同じように、お風呂上りのタオルドライの仕方や、育毛剤を使用している場合の育毛剤の付け方、また使用するブラシなどにも細心の注意が必要です。

タオルドライは髪の毛を擦って水分を拭き取るのではなく、髪を掻き分けて軽く押し当てながら水分を拭き取るようにします。

同じように育毛剤も擦ってつけるものではなく軽く押し込むように塗布します。

育毛剤塗布後のマッサージも新生毛に負担がかからないように優しく行うのがポイントです。

また、ゴムやシリコン状のブラシを使用する場合も摩擦が強いので優しくブラッシングするように心がけましょう。

頭皮はシャンプーの泡で洗う

頭皮はシャンプーの泡で洗うという常識は新生毛を保護するためにも有効です。

つい、ゴシゴシと指と頭皮の摩擦で洗いがちですが、これはあまり良くありません。

そもそもシャンプー剤を直接頭皮に付けるのは刺激が強すぎてNGです。

特に高級アルコール系成分などの界面活性剤を使用しているシャンプーは刺激が強く脱脂力も強力ですので注意しなければなりません。

一般的には手のひらで泡立ててその泡で頭髪を洗うようにと言われていますが、それが難しい場合は、泡立てネットを使ったり、また、お湯で薄めたシャンプー剤を髪の毛にのばすようにして泡立てて、その泡で頭皮を洗うようにすると良いと思います。

泡で頭皮を包んでやると、泡が界面活性剤の親油基と親水基の二つの分子の力で勝手に頭皮や毛穴などの脂汚れなどを落してくれるようになっています。

親油基は、油に馴染むため、頭皮の脂を見つけて結合します。一方、親水基は水と馴染むため水と結合します。親油基と親水基で水と脂の両方を掴んでくっ付け合わせ、シャワーなどの水(お湯)の勢いで洗い流すことができるのです。
参考:シャンプーで汚れを落す仕組み

泡で頭皮を包んだ後は、泡を指の腹で擦るように動かすことで泡が毛穴の汚れを除去し、なおかつ新生毛を保護することができます。

特に髪の毛が寂しくなっている前頭部の生え際部分や頭頂部分は髪の毛もデリケートな状態ですので優しく洗うように心がけたいものです。

尚、最近は、泡パックを推奨するシャンプーが増えてきました。

一定時間、髪と頭皮を泡パックすることで、通常のシャンプーでは落としきれない髪や頭皮の埃や脂汚れなどを泡の力で浮かせて取り除いたり、栄養や保湿成分などを頭皮や毛穴からじっくり浸透させて頭皮環境にプラスに導く役割があります。

泡パックは、時間をかけて泡の力で油を浮かせる作用があるため、整髪料やヘアスプレーなどを使用した日にもおすすめです。

また、シャンプー時にマッサージをしている方は、擦るマッサージではなく押す、そして優しく揉むマッサージを心がけて下さい。

新生毛を傷つけない様配慮したマッサージを意識することが大切です。

最近、抜け毛が増えてきた、髪が薄くなってきた、細くなってきたという方は、泡で優しく頭皮を洗うシャンプーの仕方に変えることで、髪の毛の状態を大きく好転させることができるかもしれません。

また、髪の毛、頭皮はシャンプーの泡で洗うという以前に使用するシャンプーも重要です。高級アルコール系洗浄成分のように刺激が強く脱脂力が強いものより、アミノ酸系洗浄成分のように頭皮に優しく、脱脂力が適度であるものがおすすめです。