頭皮の乾燥対策。育毛には頭皮の潤いが不可欠

頭皮の乾燥対策。育毛には頭皮の潤いが不可欠です

頭皮の乾燥は頭皮トラブルの原因となる場合があります。ここでは、頭皮に潤いが必要な理由と頭皮の乾燥対策について解説しています。

頭皮に潤いが必要な理由

頭皮の乾燥は頭皮や髪の毛にダメージを与えてしまいます。

その理由は肌のバリア機能の低下にあります。

潤いで頭皮をバリア

肌の最も外側にある角質層には、貯水の働きを有するセラミド(細胞間脂質)と天然保湿因子(NMF)という機関があり、健康な頭皮の場合、15%から20%の水分を保持しています。

これらは皮脂膜とともに外部からの刺激や侵入を防ぐバリアの働きをしています。

セラミド、天然保湿因子、皮脂膜

しかし、空気の乾燥などで皮脂膜が破壊されたり、角質層の水分量が低下すると皮脂やセラミドなどによる保湿機能が低下し、肌のバリア機能が下がります。

肌のバリア機能が下がると、細菌やウィルス、紫外線などの外敵からの刺激に弱くなり、荒れやすく敏感な肌になってしまいます。

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その結果、頭皮に痒みやフケが出たり赤くなったりカサついたり、様々な頭皮トラブルが発生し、髪が抜けるなど育毛にも悪影響を及ぼしてしまいます。

冬場の乾燥した時期に頭皮をはじめところどころの肌が痒くなるのはこのためです。

このように頭皮の乾燥は育毛にはマイナスの影響を与えてしまうため、潤い・保湿が必要と言われるのです。日頃から保湿を心がけ、頭皮を乾燥から守るようにしましょう。

頭皮が乾燥する原因と対策

頭皮が乾燥する原因には季節による他、以下の様々なものがあります。

エアコン

湿度の低下は、冬場のエアコン(暖房)だけではなく、夏場のエアコン(冷房)によっても引き起こされます。

特に室内と屋外の温度差が大きい場合は頭皮の乾燥を招くばかりでなく頭皮に余計なダメージを与えてしまいます。

皮膚に優しい湿度は60%から65%です。エアコンの風は直接当たらないようにしたり、加湿器や観葉植物を置いて湿度を保ったり、室内に濡れたバスタオルや洗濯物を干すなどして乾燥を防ぐようにしましょう。

シャンプーの成分とシャンプーの仕方

シャンプーの成分やシャンプーの仕方にも注意が必要です。

シャンプーの成分

高級アルコール系や石鹸系の洗浄成分をメインに配合しているシャンプーなどは脱脂力が強く頭皮に必要な皮脂までも取り除いてしまい頭皮の乾燥を招く場合があります。

皮脂は、ベタベタしたイメージで悪者扱いされがちですが、適量の皮脂はむしろ頭皮環境を健全な状態を保つために必要なものです。

皮脂は、汗と混じりあって皮脂膜となり、頭皮表面を覆って頭皮を保護する役割を担っています。頭皮内の水分が過度に蒸発しないように守ったり、細菌やウィルス、紫外線などの外部から頭皮を守る働きをしています。

洗浄力(脱脂力)が強いシャンプーを使用して皮脂を落としすぎると皮脂が不足して乾燥しやすくなり、荒れやすく敏感な肌になってしまいます。シャンプー後の頭皮に痒みや湿疹などが発生する原因の一つは皮脂の取りすぎによるものです。

これに対してアミノ酸系の洗浄成分をメインに配合しているシャンプーは洗浄力が適度で皮脂を取りすぎるリスクは少なくなります。

頭皮に優しく、保湿力も優れていますので、育毛シャンプー、スカルプシャンプーと言われる殆どのシャンプーがアミノ酸系の洗浄成分を配合しています。

頭皮の乾燥対策で最も手っ取り早く効果が期待できるのが、保湿性の高い育毛シャンプーの活用です。

頭皮や髪の保湿成分としては、オイル系の成分を配合しているのがおすすめです。

天然のオイルを配合したシャンプーは、頭皮に潤いを与える保湿効果に優れているだけでなく、低刺激で頭皮に優しいのが特徴です。

オイル配合のシャンプーは重くてベタつくという人や猫毛、軟毛の人はコラーゲンやヒアルロン酸といった保湿力に優れた成分が配合されたものを選ぶのがおすすめです。

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シャンプーの仕方

2度洗いや朝シャンなどシャンプーのし過ぎもNGです。この場合も皮脂を取りすぎてしまう場合があるためです。

頭皮の洗い過ぎが進むと、頭皮の水分の蒸発を止めようとかえって皮脂を過剰に分泌させ、インナードライを引き起こす原因にもなってしまいます。

あまり汗をかかない冬場は2~3日に1度のシャンプーでも大丈夫です。

より保湿を重視する場合は、天然の保湿成分が豊富に配合された保湿性に優れたシャンプーを選ぶようにします。育毛シャンプー、スカルプシャンプーと言われるものには保湿成分が豊富に配合されているものが殆どです。

保湿が頭皮環境を改善し、育毛に直結することがわかっているためです。

また、シャンプー時のお湯の温度にも注意が必要です。

高温のお湯では皮脂が溶けて流れすぎてしまいますので、できれば40度以下の人肌に近いぬるま湯でシャンプーすることをおすすめします。

アミノ酸系のシャンプーが主流になってきてからは、乾燥肌用、脂性肌用といった肌質で分けたシャンプーは少なくなってきましたが、体質が乾燥肌の人は、できるだけ乾燥肌用のシャンプーを選ぶようにすると良いでしょう。

乾燥肌用のシャンプーは、保湿成分を強化した設計がなされています。

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ブラッシング

過度なブラッシングも肌の角質層にダメージを与える場合があるのでNGです。

空気が乾燥している場合は静電気も発生しやすく切れ毛、抜け毛の原因となります。

プラスティック製の櫛やブラシは静電気を起こしやすいので木製のブラシを使うなどして髪や頭皮への負担とダメージに配慮するようにしましょう。

ドライヤー

シャンプーの後の頭皮は、皮脂も減ってしまい角質層から水分が奪われやすい状態になっています。自然乾燥などで長い間、髪を濡れた状態にしておくと、キューティクルが開いた状態になり髪や頭皮の水分量を減少させたり髪の内側を傷めてしまう原因にもなリかねません。

また、髪を濡れた状態にしておくと、雑菌が繁殖し、痒みや臭いなどの原因になりますので、シャンプー後はタオルドライなどで水気を取った後、自然乾燥せず速やかにドライヤーで乾かすようにしましょう。

ドライヤを使用するにあたっては乾燥を防ぐためにドライヤーのかけすぎは当然NGです。同じ個所に3秒以上かけず、また髪から20センチ以上離して乾かします。最後に冷風で乾かすと髪と頭皮の栄養分が逃げず、潤いのある髪と頭皮になります。

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紫外線

紫外線によって頭皮の潤いが減少し乾燥してしまいます。

紫外線は、髪の毛を作り出す毛母細胞の活動を弱め抜け毛や細毛の原因になったり白髪リスクも高めると言われていますので要注意です。

女性の方は、日傘や日焼け止めで紫外線対策を。また、男性も女性も髪の毛の分け目はときどき変えるようにします。

まとめ

頭皮の乾燥は、頭皮のバリア機能を弱め、様々な頭皮トラブルの原因となり、抜け毛や薄毛のリスクを高めてしまいます。

従って、頭皮の乾燥対策は育毛には不可欠です。

頭皮が乾燥させないため、冬場のエアコンやシャンプーの成分や仕方、またドライヤーの扱い方、紫外線などに注意した生活を送るようにしましょう。