自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット

自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット

薄毛の進行が進み、育毛剤や育毛サプリメントなどの利用では改善が困難、より確実で高い効果を得たいといった場合の薄毛対策として、植毛という選択肢があります。

植毛には、自分の髪の毛を移植する自毛植毛と人工毛を植える人工毛植毛があります。

植毛とは

植毛とは、読んで字のごとく頭皮に毛を植え付ける増毛法です。

・薄毛の進行が進んでいる
・育毛剤などではなかなか改善しない
・より確実で高い効果を得たい
・育毛剤による副作用から解放されたい
・日々のメンテナンスから解放されたい

といった場合などに活用されるAGA治療の一つで誰でも選択することができる施術です。

植毛は、元々は、事故や火傷などで頭皮を損傷し、髪の毛を失ってしまった方の為の治療法から始まりました。

植毛には大きく、

・自分の髪の毛を移植する「自毛植毛」と、
・合成繊維で作られた人工的な毛髪を植え付ける「人工毛植毛

があります。

いずれも自然な仕上がりにするには医師や看護師の経験や技術、センスが問われます。

自毛植毛とは

自毛植毛とは、「自分の髪の毛」を移植する増毛法です。

自分自身の後頭部や側頭部などに生えている元気な髪の毛の一部を増毛したい箇所に移植する植毛法です。

後頭部や側頭部は、AGAの影響は殆ど受けないため、自毛植毛は、この後頭部や側頭部の髪の毛を毛包ごと採取し、毛包単位に株分けした後、目的の部位へ移植して行われます。

そのやり方や手順はクリニックによってまちまちです。

自毛植毛のメリット

自分自身の毛包細胞を移植するため、アレルギー反応などがなく、一度移植してしまえば自分の髪の毛として他の元気な髪の毛同様、半永久的に抜けては生えるを繰り返すという大きなメリットがあります。

移植が済むと、今までのAGAの影響を受けた痩せ細った髪の毛ではなくAGAの影響を受けていない健康的で太い髪の毛が生えてきます。

施術を行う医師と看護師の経験や技術力、センスにもよりますが、違和感も少なく自然な仕上がりが期待できます。

毛包ごと移植するため今後AGAの影響を受けて薄毛が進行するということもまずありません。

頭皮への定着率(生着率)も80%~95%以上と高く、植毛後は、基本的にメンテナンスや通院が不要ですのでその後のランニングコストも最小限で済みます。

自毛植毛のデメリット

自毛植毛は自分の髪の毛を切り取って移植するため、移植元の髪が少ない場合、無い場合は移植ができなかったり、移植する本数に制限が出てきます。

移植の仕方には切らない手術と言われるFUEと切る手術と言われるFUTがあります。

FUEによる場合は、移植元の頭皮部分は殆どの場合、目立たなくなりますが、FUT法で手術をした場合には移植元の頭皮にメスを入れますので少なからず傷も残ります。

いずれの場合も、下手なクリニックで大量の髪を移植した場合は理容室や美容室に行った際に最初は驚かれる場合があるかもしれません。

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移植をするとヘアサイクルの調整から移植した髪の毛の殆どが1ヶ月から2ヶ月で一旦抜け落ちます。また、これとは別に植毛した周りの髪の毛が抜け落ちる場合もあります。

植毛後、植毛した髪の毛が抜け落ちる現象を一時的脱落、植えた周りの髪の毛が抜け落ちる現象をショックロスと呼んでいます。

植毛した髪の毛は殆どの場合抜け落ち、およそ20%の人がその周りの髪の毛も抜けるショックロスを体験すると言われています。

ショックロスは、はっきりした原因はまだわかっておらず、一説には麻酔の影響かとも言われています。

ショックロスの確率を低くするためにはミノキシジルやフィナステリドの処方が有効と考えられているため、多くのクリニックで、植毛後はこれらの服用を勧められます。

いずれにしても抜け落ちた髪の毛は、2~4ヶ月目頃から生え始め、その後、成長し生え揃うまでにおよそ半年から1年ほどかかると言われています。

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自然な流れで生え揃っていきますので、その点はメリットと言えますが生え揃うまで時間がかかることはデメリットといえます。

一般的に初期費用(手術費用)は高額となります。

自毛植毛の費用

自毛植毛の費用は、一般的に移植する髪の毛の株数によって決められます。

費用はクリニックや術式でも異なり、一般的にはドナーの採取に必要なサイズの頭皮を切り取るFUTの場合が、1株(1毛根)ごと髪の毛をくり抜いていくFUEより安価です。

クリニックのサイトなどでは株(グラフト)単位で費用が記載されており、1グラフトあたり500円~1200円とマチマチです。1グラフトは2本前後の髪の毛が育ちます。

薄毛があまり進行していない生え際だけで500グラフトほどの植毛であれば、最も安い場合で30万円前後からですが、移植範囲が広く2000グラフト以上といったことになると150万円から200万円以上の費用がかかるのが一般的です。

ロボットなどを使った安価な自毛植毛もありますが、あまりおすすめできません。

人工毛植毛

人工毛植毛とは、自分自身の髪ではなくナイロンやポリエステルなどの合成繊維で人工的に作られた「人工毛」を頭皮に植え込んでいく植毛法です。

人工毛は、質感や光沢など、人の毛が忠実に再現されており、毛の強度や耐熱温度などは人の毛より優れています。

自然な仕上がりで、植毛した毛と自毛の区別がつかない仕上がりになります。

人工毛植毛のメリット

比較的短期間で頭髪を増やすことができます。

自分の髪の毛を使いませんので、移植する髪の毛が少ない、または無い人でも植毛することができますし、自毛植毛ではあまり行われていない後頭部への植毛も可能です。

また、自分の細い髪ではなく太い髪を植毛できたり、色や長さ、ヘアスタイルといったものを自分の希望に沿ったものにできたり、また移植本数に制限がありませんのでボリュームたっぷりの毛髪にできる点も人工毛植毛のメリットと言えます。

人工毛植毛のデメリット

今のところ人工毛植毛にはデメリットが多いのが実情です。

人工毛は自分自身の髪の毛ではなく合成繊維で作られた毛を植え付けますので人によってはアレルギーなどの拒絶反応を起こす場合があります。

その結果、頭皮が炎症を起こしたり、雑菌が入り込み、感染症を引き起こす場合もあります。

また頭皮への定着率も悪く1年~2年も経たないうちに抜け落ちる場合が殆どです。

頭皮の中に人工毛を残したまま切れてしまうと体内に残ることにもなります。

自毛植毛と異なり、生えてくる、伸びてくるというこはなく、一度、抜け落ちると生えてくることはありません。誤って短く切らないように注意しなければなりませんし、ヘアスタイルを柔軟に変えることもできません。

抜けた髪の毛を補ったり植え直しのために、その後のメンテナンスも必要になりランニングコストは高くつきます。

維持していくためには生きている間、ずっとメンテナンスし続けなければなりません。

人工毛植毛の費用

クリニックで料金はまちまちですが、一般的に初期費用は自毛植毛より安くつきます。

1000本ほどであれば自毛植毛の半額ほどで済む場合もあります。

但し、定期的なメンテナンス費用を考えるといつかは逆転してしまいます。

おすすめは自毛植毛

上記内容でもわかるように植毛を選択する場合のおすすめは自毛植毛です。

最新の2017年版の日本皮膚科学会の男性型・女性型脱毛症診療ガイドラインでも

・自毛植毛の推奨度がB(行うよう勧める)に対して
・人工毛植毛の推奨度はD(行うべきではない)

となっており、自毛植毛を推奨しています。

特に人工毛植毛は、過去に多くの有害事象の報告があるため、米国のFDA(食品医薬品局)では事実上、禁止しています。

男性型・女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

日本でも人工毛の植毛を行うところは少なく自毛植毛が主流になっており、男性だけでなく女性も施術を受ける人が増えています。

自毛植毛の具体的な流れは下記を参照して下さい。

参考:自毛植毛の流れ

参考:再生医療による薄毛治療はどういうものか。そのメリットとデメリット